ご挨拶
第42回日本小児心身医学会学術集会大会長
国立成育医療研究センター総合診療科 診療部長
永井 章
第42回大会学術集会の大会長を務めさせていただきます、国立成育医療研究センター総合診療科の永井です。これまで私自身の学びの場の中心であり、多くの師や仲間の方々との出会いの場であった本学会で学術集会開催の機会をいただきとても身に余るありがたいことだと感謝致しております。
この数年来のコロナパンデミックによる子どものこころと体への影響は、世界的にもLong covid19 syndromeの一つとしても捉えられて、不安、うつ、摂食障害の患者数の増加、また本邦においても摂食障害や心身症患者数の増加などの報告もあり、小児科領域の中でも需要が高まっているところだと思われます。また少子化などを背景にした小児科での疾患構造の変化などから、小児科領域で、疾患を疾患だけではなく、バイオサイコソーシャルモデルで捉え、支援する方向性が提言されてきています。そうした中で本学会での活動はまさにこどものこころと体、そして社会という視点で診療、研究する学会であり、益々、その存在感、重要性が高まっていると言えるかと思います。すでに本学会からのガイドラインは多くの一般小児科医に読まれて、小児心身症診療の普及、標準化に大きく寄与しています。こうした中で、このように発展してきている本邦の小児心身医学を今一度、立ち止まって、最新の知見、実践を知り、また次のステップで私たちが、子どもたちのために何を、どのよう形で行うことできるかを考える機会にできればと思っています。そうしたことから、学会のテーマとして“小児心身医学の知・実践~そして未来へ”を掲げさせていただき、海外から見た日本の心身医学は?などの視点も含めて、多くの分野での学び、議論ができればと願っております。第42回大会は、第33回大会(会長:藤田之彦先生)以来、9年ぶりの東京開催ということで、多くの方に現地に来ていただき、いろいろ学び、そして直接、語り合える学会となることを願っております。微力ですが、できるだけそのような学会になるように努めてまいります。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ち申し上げております。